インテリア トレンドレポート
Vol.8 身体感覚から生まれる空間
──建築家・大野友資が考えるオフィスのかたち
柔軟性と能動性を促す、nomena(ノメナ)のオフィス
一方、誰がどのように使うかが明確だったのがエンジニア集団nomenaのオフィスだ。彼らは極小の機構から巨大なインスタレーションまで、幅広いスケールのプロジェクトを手がけている。「将来どんな仕事がきても対応できるように、空間には柔軟性が求められました」。

Image courtesy of Domino Architects, Nomena and Studio Xxingham
そこで設計の核としたのが、壁に設置した等間隔のアルミフレーム。様々な部材を自由に追加でき、棚や机にすることもできるなど、使い手が能動的に空間をつくれるようになっている。「ノートに罫線を引いたようなものです。白地よりは書き出しやすい」。

Image courtesy of Domino Architects, Nomena and Studio Xxingham
アルミフレームも、日常的にnomenaが使っていてオプションパーツが豊富なものを選定した。テーブルやワゴンもこのアルミフレームで構成した。「毎日の仕事と変わらない気持ちで、空間を作り変えていってもらいたい。このオフィスという空間まるごと、道具として渡す感じです」。

Image courtesy of Domino Architects, Nomena and Studio Xxingham
オフィスの中で最初から計画されて動かないのは、この壁のアルミフレームのみ。「自分ごとになるように、空間をハックしやすいようにする。nomenaは自分たちでなんでも作る人たちなので、人から与えられた空間ではなく、自分たちで作れる空間として受け取ってもらいたかった」。

Image courtesy of Domino Architects, Nomena and Studio Xxingham

Image courtesy of Domino Architects, Nomena and Studio Xxingham