インテリア トレンドレポート

Vol.7 「ゆるくつながる場」を
自ら監修の家具と自社オフィスで問う

二人にこれからのオフィスやシェアスペースの可能性を聞いてみた。

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「三鷹でJRの社宅や独身寮をリノベーションしたプロジェクト『リエットガーデン三鷹』があります。シェア型賃貸住宅やファミリー型住居の間には広場や貸し農園があり、近隣の人も利用し、交流が生まれています。また共用スペースにはシェアキッチンやシアタールームを設け、個別の住宅というくくりの中ではできないことが、シェアすることでプライベートライフで実現できるようになっています。この事例に限らず、分かち合うという考え方は次世代に欠かせないものではないでしょうか」。

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[リエットガーデン三鷹   写真=西川公朗]

住み方も働き方の定型を再考し、再構築する。成瀬・猪熊建築設計事務所からはそんな発想がますます生み出されそうだ。

成瀬・猪熊建築設計事務所
大学の同級生だった成瀬友梨さんと猪熊純さんがビジネスパートナーシップを組み、2007年に設立。「人がシェアする場所をデザインする」を時代に先駆けて標榜し、建築やリノベーションのほか、プロジェクトの企画なども幅広く手掛ける。次世代に向けたシェアスペースの代表作として「KOIL柏の葉イノベーションラボ」「リエットガーデン三鷹」などがある。

レポート:本間美紀/ライフスタイルジャーナリスト

インテリアの専門誌「室内」編集部を経て、独立。家具、インテリア、デザイン、住まい、キッチンなどの取材執筆、セミナーなどを手掛ける。ドイツ、イタリアなど海外取材も多数。著書に「リアルキッチン&インテリア」「リアルリビング&インテリア」「人生を変えるインテリアキッチン」(小学館)など。

事務所・人物撮影/岡村享則