Vol.10 オフィスと工場を「デザインハウス」に変えたイトーキの挑戦<< /h2>
外部との共創エリアになる1階
エントランスを入ると分解された家具のパーツが、ミュージアムピースのように飾られたフロアが広がる。イトーキのものづくりを「ひらいて伝える」場所だ。今回は前述の新作チェアのパーツを展示していたが、今後もエキシビションスペースとしても活用してきたいという。

床壁天井はグリッドデザイン。壁にはイトーキの研究成果の一つであるオフィスチェアやキャビネットの標準サイズや、人体の標準データが壁面に記されている。

他にも製造施設と隣接し、窓越しに椅子の耐久性を測定する試験室が、誰でも見られるようになっている。イトーキのこれまでのアイコニックなモデルを展示し、企業のアイデンティを社内外で確認できる場もある。

社内の共創エリアとした2階
2階は主に設計、開発メンバーが議論や検証を行う社内共創フロアの役割を果たす。

ミーティングルームやオープンキッチンのほか、エルゴノミクスラボではMRを活用して人体の動きと椅子の関係を測定し、データ化するスタジオもある。

最大の特徴はMR を活用し、企画部門のある東京と生産部門である滋賀を接続したことだ。滋賀のスタジオに納品する家具が置かれる想定の空間を映し出し、サイズ感やインテリアと合うかどうかを検証できる。試作品を製造して送る回数の削減や、インテリアとのマッチングを確認することができる。

この開発フロアと工場の製造現場は簡単に行き来でき、会議中に出た問題をさっと工場に確認しに行ける。そんな距離感で仕事を進めることができる。

「ものをつくって売るのではなく、イトーキは’’働く場所’’を提供する企業。そのために必須だった場所。開発の質とスピードも向上する」と湊社長は強調する。