インテリア トレンドレポート
Vol.6 デザインファニチャーに見る
オフィスでの「個」の在り方
リモートワーク、フリーアドレスなど、働く場が多様化して久しい。当初は戸惑いがあったオフィス空間の変化にも、ようやく慣れてきたのが今の時代だ。オープン化するオフィス空間の中で、最近、注目されているのは意外にも「個」の空間だ。デザイナーによる家具の中から、これからの「個」を感じさせるものを紹介します。
レポート:本間美紀/ライフスタイルジャーナリスト
デザイン会社DRAFT(ドラフト)が手掛けるプロダクトブランド「201°(にひゃくいちど)」。このブランドは2024年のオルガテック東京に出展。多くの企業が人とのコミュニケーションを推奨する中で、ドームのような丸い家具「コーム」が目を引いた。ニュアンスカラー3色もトレンド感がある。

商品名は「Concentrate(集中)+Room(部屋)」で「COOM(コーム)」。Rの字のような人をくるむようなフォルムで、再生ペット樹脂を利用したファブリックパネル張りで、空間で温かな雰囲気を醸し出す。

オープンでフリーな空気感が好まれる最近のオフィス事情の中、どんな職種が「個」を生み出す家具を必要とするのか、開発の背景を聞いた。プロジェクトマネージャなど、細かな調整仕事をする職種に好評だという。通常の仕切りと違って頭からすっぽり人を包むので、横顔も見えない。

さらに吸音性があるので、電話やウェブ会議も周囲に気を遣わずに済む。それでいて幅1mとコンパクトでビルの一室を借りて、個室をわざわざ造作するほどではないという場合も便利そうだ。