2025 オンサイト レポート

オルガテック東京-多方向に広がるオフィス家具の可能性

テキスタイルや人工皮革など家具材料の企業も存在感を増している。ホテルやオフィスでの重歩行用カーペットや吸音材、カーテンや緞帳など、パブリック空間ではテキスタイルも大きなマーケットを持つ商材だ。

・川島織物セルコン
川島織物セルコンは日本最大級の織物メーカーで、商業施設にも大きな取引先を持つ。京都創業の文化を持つ企業だ。

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伝統と高品質のイメージが強い同社だが、今年は「テキスタイル・スタディ」をテーマに、実験的な試みの展示を通して、来場者と意見を交わした。

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まずは日本の美意識を意識した、繊細なアースカラーのラグ「ゼンガーデン」「シキ」が来場者を迎える。染色にも長い伝統を持つ同社が生み出す色を楽しめた。

そして中央の、84枚の布を重ねて縫った立体構造のランプシェードが圧巻だ。

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ここれは川島織物の社内で育んだ独自の縫製技術で、実現している。縫った布を広げると折り紙のように幾何学的な形が現れる。光を通す布がランプシェードになる。会場では直径2.5mの大きさのものが展示されていたが、実際にはその3倍までの製作に対応できるという。

・スミノエ
スミノエはインテリア感度の高い企業・アクタスとの共同開発でルノン壁紙の人気シリーズ「ノルディックボード」を展示した。

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アクタスが強い北欧家具、それを生み出すスカンジナビアの国々では日照時間が短く、曇りがち。そのハーフトーンの気候を表現した壁のカラーがオーク材やウォルナット材を多用する北欧家具の背景になるという提案だ。グレージュベースのインテリアや北欧家具が好まれる日本向けのカラーだ。

・ウルトラスウェード
肌触りがよく耐久性のあるアーティフィシャルレザーのウルトラスウェードは、すでに多くの家具で採用されているおなじみの素材だ。

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おなじみだからこそ、オルガテック東京の会場ではアーティストや若手ブランドとのコラボレーションで、新鮮は発信をしている。今年は藤井製帽とのコラボレーションだ。帽子の製造技術でのオブジェ「MOBJE」を、7mmのテープ状にしたウルトラスウェードを主材にした試作デザインをお披露目した。