2025 オンサイト レポート

オルガテック東京-多方向に広がるオフィス家具の可能性

今回、グランプリ出展者が選ぶベストブース賞の二冠をとったコクヨのプレゼンテーションは一つの製品に的を絞ったことで成功した。白く淡い素材で渦巻きのような求心力を持ったブースには多くの人が並んだ。その中にたどり着くと、1脚のオフィスチェアが現れる。

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多くの企業が数多くの製品を並べる中、コクヨは「イングクラウド」を来場者にしっかり見せ、体感させた。「3Dウルトラオートフィット機構」を採用した新作椅子だ。これは重力を利用して体圧を流動的に分散させ、あらゆる姿勢にフィットするコクヨ独自の機構で、実際に座ってみると、ふわりと体が支えられ、雲の上にいるよう。「座るというより、まとう感覚を来場者ひとりひとりに体感してもらっています」(コクヨ広報担当者)

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一つのものをきちんとみると、その印象は強くなる。このプレゼンテーションは情報過剰になりがちな見本市での新しい表現手法と感じられた。体圧分散のデジタルデータをモチーフにしたインスタレーションや、テーブルの天面にはコピーライターによる言葉がランダムに投影され、来場者の発想を刺激する。

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待ち時間を示すスタンドを立てるなど、並ぶ人に不安を感じさせないオペレーションも、パブリック空間ではとても参考になるものだった。

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